恋華-renka-

いつからか咲いた　ちっちゃな恋華

つぼみはやがて　色づいて

私の手の平のうえには　ちっちゃな恋華が一輪


あなたに、花を捧げます

どんなにか綺麗な想いを込めて

あなたに…恋華を捧げました


すこしこわくて　すこしおびえて

おそるおそる　あなたに


優しいあなたは　それを

けれども　優しく、やさしく、返してくれました


受け取られることはなく

けれども　散ることの無かった花


あなたが私に喋るのは　最初で最後


最後に少し笑って話してくれて

恋華を捨てずに返してくれて

ねえ、　ありがとう。


私の手の平のうえにある　恋華

散らないでいてくれて　良かった

贈ることはなくなっても

花はきっと　枯れない


枯れてはいけない


ねえ、　ありがとう。



ありがとう…

固定観念

ひと　は

それ　しか見えなくて

自分　しか見えなくて

自分　を　中心　に置くことでしか

世界　を回せない　生き物　なんだ

当たり前　を愛して

不変　を愛して

異端　を忌み嫌って

誰　がそんなことを　決めた　のかも考えずに

ただ　そこ　で生きて

ただ　過ごす　だけで

それ　は　子供　に　伝染していって

ずっと　ずっと　永い時をかけて

考えること　を止めてしまった

もうすぐ

すべて　の　思考　が止まる